怪人戯録/グエンドリン編の裏側
※表題作品のネタバレ含む
空想怪人録をベースにしたゲーム、空想怪人戯録第一弾の公開を開始しました。結局前編後編に分けて作るのは負担がでかすぎるということでこのように一編一編公開することにしたんですが、こっちの方がいいですね!
一人目の怪人は食人鬼グエンドリン・アルマンです。
■舞台
60年代初頭のアメリカです。手元にそれぐらいの時期の資料があったというのと、この時期はグエンドリンのような若くて可愛く振る舞い且つ薄暗い人間が似合うのではという理由で決めました。
■登場人物
■グエンドリン・アルマン
怪人ファイルNo.1。30歳。一年間で10人以上の子供を殺害し調理、自身の胃と湖において証拠隠滅をした人間。夫のアランとは共犯関係にある。着ている服は母のお下がり。
最初はアランの補佐をしていたが、いつしか彼女単体で殺しを行うようになった。結果アランの殺害数を大きく上回り、被害者がほぼ子供であったうえ、若い人妻だったというのもあってか、後世ではそこそこ有名な殺人鬼となった。
空想怪人録ではNo.2とほぼ同時期、最古に登場した怪人です(たぶん)。当初はここまで数が増えるとは思わなかったので、彼女に関することはEX(その怪人にまつわるストーリー)はおまけ程度の扱いとしてグラフィックの横の文章だけで完結させていました。さらに年月が経つとそれぞれの怪人にももっと過去があるよな、ということで現在はグラフィック、ストーリーを同時に公開する方向性になっています。しかしグエンドリンなど初期の怪人(特にNo.1からNo.12)はそれの補強が追いつかずどうするべきか……と悩んでいたのですが、結果ノベルゲームで描いてその補強としてEXを作ろう、という構成になりました。
そうして出来たのがこのシリーズ計画です。第一弾にふさわしい、わかりやすい怪人になったと思います。
ノベルゲームの性質上、キャラクターの表情や効果音、BGMなどのおかげで小説だけではできないような演出ができてとても楽しかったです。グエンドリンは自分勝手で意志の強い人間で表情の振れ幅が大きいので、派手な立ち絵をたくさん描けました。
幽霊や妖怪、意思を持つ人形などが跋扈する空想怪人録の中では珍しくグエンドリン・アルマンは特殊な能力も持っていない、最初から最後まで人間の肉体を持った人間です。アランもそうです。彼と出会わなければもう少しまともな人生を歩めていたかもしれません。
■アラン・アルマン
怪人ファイルNo.1-EX。34歳。グエンドリンの夫。幼少期に鶏を屍姦したことがある。煙草とナイフは身体のどこかに常に携帯している。
怪人録でグエンドリンを公開した当初からいたけど、実態があやふやだったので今作でようやく存在が明確になったキャラクターです。初期は眼鏡をかけていて寡黙で清潔感のあるイメージだったのですが、もっと堕ちた感じにしようとデザインを一から練り直しました。身なりには最低限しか気を使っていないし、無精髭もそのままです。
終盤のあの表情は描いててすごく楽しかったです。
■使用楽曲
この一連のゲームで使用させて頂いた曲は全部良いので是非元サイトでも聴いてください。(敬称略)
・feel/KK (タイトル画面)
・AM2:00/高橋 志郎 (メメの研究室)
・十六年目の醜聞/稿屋 隆 (No.1編プロローグ)
・powder snow/オサナイユウタ (現地到着)
・archaic/hotaru sounds (グエンドリンと遭遇)
・the ghost house/稿屋 隆 (アルマン家)
・Swamp Lake/Tagord (夫婦極上挟撃)
・フォークロア/稿屋 隆 (アルマン夫妻回想編)
・A beautiful criminal/稿屋 隆 (殺しにも慣れたグエンドリン)
・哀愁漂うホラー的なBGM/タカオマサキ (互いに言っていないこと)
・水底の殺意/Ryo Lion (フレディも家族)
・正体/ハヤシユウ (夫婦の結末)
■presence of music/Yusaku Kishigami
・Noise(アラン追及)
■余談
なんですが、製作中はゴーン・ガールのサウンドトラックとNine Inch NailsのAll Time Lowとschool food punishmentのkillerをよく聴いていました。