マリアンヌ新城のねんどろいどどーるを作る
内村です。突然ですが私の趣味のひとつに『音ゲー』があります。約7年前SOUND VOLTEXという音ゲーに触れてからというものの、時間を見つけてはゲーセンに通っています。
そして現在、私はCHUNITHMという音ゲーにハマっています。最初はその操作性が面白くてキャラクターシステムはあまり重視せず、ノーツを捌く動作が気持ちよくて続けていました。しかしある日公式サイトを眺めていたところ、あるキャラクターのアイコンが目に入りました。
AIR PLUSバージョンより登場したマリアンヌ新城さんです。
初見の印象は『可愛い……』でした。当時STAR PLUSバージョン末期だったCHUNITHMにはギリギリ彼女と彼女の相方がいるマップがまだ残っており、僕はそこを全力で走りこのマリアンヌ新城さんをゲットすることに成功しました。以降は育成を続け、新曲や難譜面を楽しんでいます。
ところでプレイする度に思うのですが、
メチャクチャ可愛くない……?
相方もモウレツに可愛くない……?
でもグッズ無くない?ということで、作ることにしました。
相方のマイケル斉藤さんも作りたかったのですが、私の技能ではあの衣装と装飾を作ることはたいへん難しいと判断したため、マリアンヌ新城さんを立体化しようと思います。いつか彼も別の形で立体化したくてたまらない。
目次
■道具
今回のために新規でエポキシパテ・ポリパテ・エアブラシ・リューター・いろいろな塗料、そして一番大事なねんどろいどどーるの素体等を購入しました。その他にも家の隅からデザインナイフ・シンナー等を引っ張り出しています。実は昔ピンキーストリートというフィギュアの改造やリペイントに手を出したりプラモを触っていた時期がありまして、幸い当時の道具が残っていたのでガンガン活用していこうと思います。
・ネイルプッシャー/調色スティック……パテを盛り付けたりするヘラとして使います。
・ニッパー……カッターで切れない箇所を断つのに使います(三つ編みとか)。
・エポキシパテ……髪の基礎を作るのに使います。
・ピンバイス……耳にピアス用の穴を開けるのに使います。
■設計図を描く
立体化するにあたり、最終的な完成予想図をシン・ゴジラを観ながら描いていきます。元がリアルな絵柄のイラストなので、顔のバランスや衣装をどの程度デフォルメするのか等のメモも兼ねています。帽子は別レイヤーで描きました。
■髪を作る
マリアンヌさんの特徴的なあの髪を作っていきましょう!
ねんどろいどどーるかすたむへっどは額・顔・後頭部のパーツで構成されているので、顔以外のパーツにパテを盛っていきます。
顔パーツにマスキングテープを貼って仮の顔を描き、さらに離型剤を塗って、額パーツに前髪のパテを盛り付けていきます。
パテを盛ってから気がついたのですが、室温のせいもあるのかこれ思ってたより柔らかい……。
エポパテで形を出すのが難しかったので、それを礎にしてポリパテを盛っていきます。
盛り削り盛り削り……を繰り返して、ある程度形がまとまったら様子見のためにサーフェイサーを吹きます。するとキズやへこみなどが分かりやすくなるので、そこもポリパテで埋めてチョリチョリやすっていきましょう。
あの顔を横切る前髪が本当にかわいくてかわいくて仕方なくて再現したくてたまらなかったので、そこだけかなり目立っちゃいました。パテの色がマリアンヌの髪色に近かったので成形のイメージがしやすかったです。
同じように後髪も作っていきます。後頭部パーツをやすって表面を荒らし、ポリパテを盛り、三つ編みの素になる棒をくっつけます。
三つ編みはたまたま家にあった謎のウィッグを編み込んで、それを参考に彫っていきました。
後頭部は柔らかい素材でできているようで、硬いパテを盛るとその相違でどうしてもパテと素地が剥離気味になってしまったので、後頭部全体を覆うようにポリパテを盛り付けることで対処しました。
実は三つ編み部分はボールジョイントを埋め込んで可動式にしようと考えていたのですが、難しいのでやめました。写真右上、うなじ付近の黒い点が名残です。完成させることが最優先事項なので!
髪の塗装をします。ここで早速やらかしたのですが、色を作る際に濃い色から混色を行ったせいで迷走し、白をひと瓶まるまる駄目にしちゃいました。バーカ!
とはいえまたどこかで使えそうな色だったので、ひとまずスペアボトルに保存しました。気を取り直して混色を再開、いい感じの色を作ります。
塗装しました。この写真でも吹いてあるのかいないのかわからない(多分吹いてない)んですが、実は毛先と生え際に薄ーく赤混じりの茶色を吹いています。改めて完成品を見ても全然わかりません。もっと濃い色でやればよかったかな?
三つ編みを閉じているリボンも塗装します。立ち絵だとここは右腕で見えないのですが、こうだったらかわいいなという完全な妄想と捏造です。
■衣装を作る
ステージ衣装であろう、あの素敵な服をできる限り再現したいと思います。
が、僕は裁縫のセンスが皆無に等しいので、文明の利器〈アロンアルファと裁ほう上手〉の力を借りて作業を進めます。
ざっくり作った型紙から衣装の生地を切り出し、素体と合わせて微調整をしていきます。しっくりくるサイズになったら、ほつれないように縁を接着します。
上半身の部分はなんとかホックを縫い付けて、着脱がしやすいようにします。メンテナンスをしなければならない時に備えて……。
ベースになる布を下半身にぐるっと巻き、そこにリボンを巻きつけてスカートを作ります。立ち絵だとちょっと透けてる素材に見えたので、それに一番近いリボンを選びました。
全部合わせるとこんな感じです。この時点で仮顔もVer.3ぐらいになっています。
ピアスも作っちゃいます。丸カン・9ピン・フープパーツを組み合わせたものにクリスタル的なパーツをクリアー色で塗装したものを合体させます。
靴はなぜか家にあったレザーのショルダーストラップを切って作りました。紐状に細くして素体に貼り付けていきます。腕の装飾もラインストーンを直に貼り付けたものです。
次に帽子を作っていきます。
百均にあったマカロン型(マカロンを模したポーチを作るための土台)を帽子のトップの型にします。
同時にクラウンとつばの型紙も作り、それに合わせて生地を切り、型紙から作った台紙と合体させていきます。つばの部分には針金を仕込みました。
これで帽子はおおかた終わりなので、装飾を作っていきます。
羽根飾りのピンを作っていきます。作中の描写だと先が鋭いピンの可能性が高いですが、ここは機能性を重視していきましょう!
9ピンにフラワーペタルをアロンアルファで貼り付けて切れ込みを入れていきます。
花や薔薇など他のパーツも必要数加工していき、エアブラシでグラデーションをつけていきます。髪パーツを塗装していたのと並行でやっていた作業です。
パーツを大まかなグループに分け、それぞれにホックを接着していきます。これで帽子周りの作業は終わりです。
■面相を描く
一番緊張した工程です。いくぞ!
はじめに光沢クリアーラッカースプレーを顔全体に吹き付けます。そのままだと表面がザラザラで塗料が滲んでしまうらしいです。
佐倉杏子ちゃんの顔を参考のため拝借して、目の枠を描きます。時々鏡に写したりしながら、できるだけ左右対称になるようにします。表面がツルツルしている上、ラッカーよりも弱い塗料(エナメル塗料)を使用しているので意外に描きやすかったです。しかもエナメルシンナーを使えば下地を溶かすことなく、描いた部分のみを消してやり直すことが可能です。スゲ~
そんな感じで瞳の色も描き込んでいきます。瞳孔は気持ち内側に、瞳は少しだけ逆ハの字を意識して描くと上手くいきました。綺麗にシンメトリーにはなりませんが、だいたいあってるぐらいが沼らなくて丁度いいかもしれません。
ある程度描いたらラッカースプレーを吹いて次の工程へ…となるのですが、これってまんま絵を描くときのレイヤー分けと一緒だなあと作業中思っていました。ただしスプレーを吹いたらもう後戻りできませんが……
面相筆を使うすべての工程が終わったら、つや消しトップコートを吹いてパステルでチークを入れます。マリアンヌの立ち絵をよく見ると目元に化粧を施しているようなので、目尻と下唇に薄く赤色を入れてみました。
そして、すべてのパーツを合体させて……
完成!!
いい感じなんじゃないだろうか!なかなか可愛く出来たと思います。
一番揺れて欲しいパーツであったピアス(イヤリング)も理想通りに出来て満足しています。目の位置を少し高めに意識して描いたからか、大人っぽくなって嬉しいですね。
できれば台座にちょっとした加工をしたりスタンドマイクも作ろうと思っていたんですが、それは追々。
■感想
最高!!!でした。
何よりマリアンヌさんのデザインがめちゃくちゃかわいくて美しいので、髪を盛るのも衣装を作るのもめっちゃ楽しかったです。描いても立体で作っても楽しいってこれとんでもないことですよ本当に、俺はどうすればいいんだ
■制作後記
今回の作業が楽しかったのと、やりやすいように道具をあれやこれやしているうちにもう一体ぐらいフィギュアを作れそうな環境ができちゃったので、また何か作りたいんですよね。そのために今回わかったことをメモっておきます。
■エアブラシの使い方
塗料は牛乳程度の濃度がエアブラシに適しているらしいので、自分の中での牛乳をイメージして希釈しいざ吹いたら飛沫やダマができた……というのが何回かありました。調べてみると塗料が濃い(希釈が足りてない)場合にそのような現象が起きるらしく、試しにもっと薄めてみたらソレは無くなりました。濃すぎるよりも薄すぎるほうがいいのかな?
また、使う色が薄すぎてちゃんと色が乗っているかわからなくなってつい強めに、近くで吹いてしまったんですが、そのせいで塗料がダマになっちゃう箇所がありました。濃度薄く、色は濃くで次回は試してみようと思います。
■調色
薄い色からやったほうがいいですね!白をまず出して、そこから一滴単位で濃い色を足していくほうが上手く調合ができました。
■エポパテは骨にしたほうがいい?
これは完全に好みの問題になっちゃうと思うんですけど、自分の場合はエポパテである程度の形を作るよりも、ポリパテで一気に盛ってから形を出していくほうが面白かったしやりやすかったですね。乾燥を待ちたくないし、ポリパテの匂いは何だかんだで嫌いじゃないので……
■参考にした動画・サイト